私たちの母校・京都学園大学を巣立ち社会で活躍する仲間を追う「同窓生に聴く」。第 5 回目を飾るのは、兵庫県加古川市消防本部中央消防署西分署に勤務する消防士長、福壽亨さん(24)。現役生時代、学業、プライベートともにポジティブに取り組み、友人の輪の中では常に中心になって「笑い」を誘う学生だった福壽さんに、大学の思い出、消防士の仕事などについて、ざっくばらんに語ってもらいました。
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目標は救助のエキスパート「専任救助隊員」です。
こちらが福壽さん。消防車の傍らにて敬礼!
- ??卒業年を教えてください
- 2005年、人間文化学部文化コミュニケーション学科(現:メディア文化学科)卒業です。
- ??現在のお仕事は?
- 兵庫県加古川市消防本部の消防士として中央消防署西分署に勤務しています。東には神戸市や明石市、西には姫路市と大きな都市に囲まれた風光明媚な場所で、管轄地域には川崎重工や三菱重工など巨大コンビナートも要しています。昨今はベッドタウンとしても発展しているところで約 30 万人の方々が生活しています。僕たちはその 30 万人の安全を守るべく、未然の火災予防やいざというときの消火活動、救急車での救急出動などの任務にあたっています。
- ??今の仕事の醍醐味は?
- 本来、私たち消防士の仕事は「ない」に越したことはないと思います。でもそんなことは絶対にないので、日々の訓練は欠かせません。今は各地の消防署員が救助技能を競う「近畿地区救助技術指導会」で優勝し、全国大会に出場すべく、毎日、厳しい訓練を積んでいます。でも正直、筋肉がパンプアップ(筋肉が風船のようにふくれあがること)するのは快感ですよ、自分の体に惚れ惚れします(笑)。脱いだらすごいんですよ!
お仕事中の一枚
- ??全国大会を目指す理由は?
- 僕は「市民のみなさんが毎日安心して生活できること」が一番だと考えていて、そのために救急のエキスパートと言われる「専任救助隊員」になることを目標にしています。救助のプロフェッショナルがいるということは、その街の安心につながると思うんですね。そしてその専任救助隊員なるためには、前述の「近畿地区救助技術指導会」で優勝して、アピールしないといけません。だから全国大会で最高のパフォーマンスをするために精進しています。
- ??プライベートのお話をお聞かせください
- プライベートは、仕事に疲れて寝ていることが多いですが、最近、車を買ったんですよ。ホントにもう、かわいいくらいの愛車なんですよ、ほんっとに! 時間があれば愛車の手入れをしてますね。ピッカピカになるまで磨いて、眺めて、ニヤリってな感じですかね。あとは横に乗ってもらえる女性だけです(苦笑)。あっ、それと筋トレは欠かしませんよ。やっぱり仕事を離れていても訓練は絶対してますね。あとは日焼けですかね。筋トレで鍛えた体を惚れ惚れなんで(笑)
大学で出会った友人は本当にかけがえのない宝物です。
勤務される消防署の前で。安心をくれる笑顔ですね
- ??大学生の自分はどんな人間でしたか?
- う?ん、大学はとにもかくにも友人に恵まれましたね。特定のクラブやサークルには入ってなかったですけど、時には一緒に騒いだり、時には一緒に悩んだり、そしてお互いの夢や目標を語り合ったりもしました。いろんな夢を持った友人たちと話をすることで、自分自身の夢や目標を持つキッカケにもなりました。たぶん「消防士になりたい」と思ったキッカケも、そんなところからだったんじゃないかな? あの時の友人たちは戦友みたいなもんですよ。
- ??率直にお聞きします。勉強はしてました?
- ・・・(苦笑)。でも、僕は隅井孝雄先生(2006 年 3 月退官・マスメディア論など)のゼミにいたんですが、すごく良かったですよ。選んだ理由は専攻とかではなく、「先生の人柄に惹かれたから」っていう不純な(?)動機だったんですが、先生の授業は時事問題をニュース映像を使いながらわかりやすく解説してくださったりで、すごく興味を持てる講義でしたね。プライベートでもお宅にお邪魔させてもらったり、ゼミのコンパもたくさんやりましたね。ほろ酔いの先生はめちゃめちゃかわいいんです。卒業してからも何度か連絡取ってますし。ただ、卒業論文を書けなかったのはとても残念だったと今でも思います。たしか、代わりに自分の就職活動日記みたいなのを書いて提出しましたね。ここで謝っておきますね、先生。
現役生時代の一枚(写真左)。「なんでも話せる仲間に恵まれた」と福壽さん
- ??大学時代の印象深い思い出は?
- 学園祭は楽しかった。学園祭って、楽しませてもらうんじゃなくて、自分たちで盛り上げて楽しむものですもんね。イベントに出てる人たちを大声をあげながら盛り上げましたよ。中でも大学 2 回生の時の龍尾祭でアーティスト「Do As Infinity」のボーカル・伴都美子さんを泣かせたことですかね。あのコンサートを観ていた人は覚えてますかね? アンコールの時に「ありがとうって言わせてくださ?い」って叫んで伴さんを感動で泣かせたの、あれって実は僕なんですよ。友人は信じてくれない人が多いんですけどね(苦笑)。でもあれは僕の人生の中でも武勇伝になってますよ。
あとは、消防士になるための試験に合格したことですね。面接はうまくいったんですが勉強は不安を残しつつの試験だっただけにドキドキでした。正直、両親にも「浪人も覚悟している」って言ってたくらいですからね。それだけに合格が発表されたときには鳥肌がたちましたよ。両親もこれ以上ないってくらい喜んでくれて、あの時は本当に嬉しかったですよ。両親には感謝感謝、感謝してもし尽くせません。
- ??大学生の頃と比べて変わったことは?
- どうでしょう? 学生だったのが社会人になったってこと以外は、特に気づかないですね。大学時代に友人との付き合いやアルバイトでの人との接し方を通じて学んだ「礼儀・挨拶・感謝の気持ち」の大切さは仕事を始めてからとても役立っていますね。
- ??卒業生や学生にひとこと物申す!
- 消防士になると決めて大学の図書館で勉強していたときのことなんですけど、勉強机に「こんな大学に来てもどうにもならへんわ」みたいな心無い落書きを見つけたときは寂しかったですね。「良くも悪くも京都学園大学に来たんだから、なんでその中で頑張ろうって考えられないんやろう」って思いました。でもあの落書きを見て「俺はコイツ(落書きした人)とは違うんや」って気持ちで勉強して自分の目標を叶えました。学園大の同窓生も何があっても下を向かず前向きに生活しましょう!
協力して火災予防を心がけましょう!
気持のよい笑顔で取材陣を迎えてくださったご家族のみなさん
- ??お仕事のPRをどうぞ
- 僕たち消防士はみなさんが安心して生活できる地域づくりを心掛けています。みなさんに守ってもらいたいことは、寝タバコ・吸殻のポイ捨てを絶対にしないこと、家の周囲には燃えやすいものを絶対に置かないこと。そして、もしも天ぷら油での火災になったときは絶対に水をかけないで下さい。みなさんの心がけ次第で火災は絶対に減ります。協力して未然の火災予防を徹底しましょう。
- ??自分を野菜に例えると?
- うーん、何でしょう。考えたことないですねぇ。希望的観測の意味も込めて言うと「セロリ」でしょうか? セロリって見た目がシャープで清潔感がありますよね。それでいて根元はしっかりとしている。自分も清潔感のあるしっかりとした男になりたいですね。
- ??長時間のインタビューありがとうございました。
- ありがとうございました。
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インタビュー中も常に笑顔で自分の気持ちをしっかりと話してくれた福壽亨さん。彼の優しい瞳は常に未来を見つめ、明確な目標に向かって歩みを進めていました。近い将来、専任救助隊員として多くの人達の安全・安心を支え活躍してくれる福壽さんを見ることができるのではないでしょうか。Web 上からではありますが同じ同窓生としてご健闘をお祈りします。
2007年05月
インタビュー/写真:鈴木 創介
(2005年人間文化学部卒業)
関連リンク:
現在勤務されている企業/組織団体:兵庫県加古川市消防本部(加古川市)
2 Responses
私は、福壽亨さんの思い出話を拝見して、受験生だった頃を思い出しました。
それは当時、私が通っていた予備校の先生方の中に、その京都学園大学の図書館の勉強机に心無い落書きをした学生の様な性格の先生がいたんです。
その先生は、講義の合間にたかが偏差値が低いからといって京都学園大学の様に、昭和40年代以降に開学した大学を軽蔑する心無い発言をしたのです。
しかし、それは全くのお門違いです。何故なら、その様な類の大学は18歳人口の増加に伴う、社会のニーズに応える名目で開学したからです。
事実、私が受験生だった頃は、現在以上に18歳人口が多かった為、その様な類の大学しか受からなくても幸運だと思わなければいけない時代でした。
そういう事もあって、私はその先生の心無い発言を聞いた時、京都学園大学の図書館の勉強机の心無い落書きを目の当たりにした時の、福壽さんと同じ様な気分がしたのは言うまでもありません。
続けてのコメント、失礼します。前回のコメントで触れましたその予備校ですが、私が京都学園大学(現京都先端科学大学)を卒業してから、数年以上の歳月が経過した後に知名度や偏差値で、大学を選ぶ考えは良くないという考えをアピールしていたそうです。
これは予備校内部に於きまして、福壽亨さんの様な考えが芽生え、そして浸透していった証しです。また、やはり前回のコメントで触れましたその予備校の、心ない発言をした先生もこの影響を受けたかの様に、予備校から姿を消した事が明らかになりました。
それによくよく考えてみますと文部科学者は、偏差値の高い大学も、低い大学も平等に扱っているじゃないですか。これは言ってみれば神様の前では、人は皆平等と同じ意味なんです。