12月も中旬に差し掛かり忘年会シーズン到来ですね。楽しい時間を過ごすあまりについつい進むお酒、くれぐれも飲み過ぎにはご注意ください。
さて、今回はみなさんご存知の「亀岡の霧」についてのお話です。亀岡を含む丹波地方では昼夜の気温差が大きい秋から初冬にかけて、霧が発生しやすい状態になります。龍尾祭も過ぎた頃から、京都市は満天の青空だとしても、ひとたび老の坂トンネルを越えると辺り一面霧の海だった、なんてことを経験した同窓生も多いでしょう。
霧のないときはこんな感じですが……
霧が掛かるとここまで見えなくなります
日本では、北海道釧路市、神奈川県箱根町などが霧の名所として有名ですが、亀岡もそれらにひけをとらない霧の街ですね。盆地に閉じ込められた湿った空気が冷やされることで水蒸気が凝固して漂う現象を霧といいます。亀岡は典型的な盆地地形で、湿った空気が溜まりやすく、気温の下がる夜間に霧が発生します。夜間に発生した霧は濃度の高いときには前方5メートル先も見えないほど(!)になり、夜間の道路交通の妨げにもなってしまいます。また、翌日の午後まで収まらない日もあり、洗濯物が乾かないなど日常生活にも影響をきたし、地元の方にはマイナスイメージが強いようですね。
遠景に建物が見えますが……
霧が掛かると見えませんね
しかし一方でこの霧は古くから「良質な農作物を育む」とされていて、亀岡の「丹波霧」も千枚漬の原料となる亀岡特産のカブを育てるうえで柔らかく実太りさせる大切な要件のひとつとなっているのだそうです。また農産物への効果だけではなく、亀岡観光の柱のひとつとして霧を活かすことも考えられているそうですよ。マイナスイメージの霧をプラス思考に発想転換することで、文字通り「霧が晴れる」と良いですね!(お粗末)
ちょっと豆知識
雲と霧の違いはどんなところでしょうか? 実は根本的な霧の発生の原因は大気が飽和状態に達したものなので、雲と同じであると考えられています。大気中に浮かんでいて、地面に接していないものを雲と定義し、それが地面に接しているものを霧と定義します。例えば、山に雲がかかっているとき地上にいる人からはそれは雲ですが、実際雲がかかっている部分にいる人からは霧になっているというわけですね。